スルメイカ「前年下回る」 来年1~3月 石川県が定置漁予報
2022年12月27日

石川県の2023年1~3月の定置網によるスルメイカ水揚量は、前年実績(303トン)および過去5年平均実績(381トン)を下回る見通し。(石川県水産総合センター公表)。スルメイカは冬に定置網で漁獲されるのは主に冬生まれ群。定置網による水揚量は年変動が大きく、これには水温が関係している。過去20年間の1~3月の水揚量と1月の50メートル深水温の関係を調べたところ、能登半島北沖の平均水温が低いほど、水揚量が多い傾向がみられた。
来年1月の能登沖の50メートル深平均水温は、海況数値モデル(水産研究・教育機構)によると過去5年平均を上回ると予測されている。同センターは過去20年間の水揚量と水温の関係から、来年1~3月の水揚量を216トンと見積もり、前年実績や過去5年平均実績を下回るとした。

豊洲市場 スルメイカ入荷不振 今年も不漁、10年で7割減
2022年12月27日

1月から12月26日までの東京・豊洲市場への生鮮スルメイカ入荷量(東京都まとめ)は前年同期比9%減の3110トンとなった。全国的に生鮮スルメイカ水揚量が低迷する中、同市場への入荷も振るわなかった。10年前の年間9599トンと比較すると7割減になる計算で、不足が常態化している。
豊洲卸によると、12月下旬の同市場の生鮮スルメイカ卸値はキロ1700~1600円と「昨年比で6~7割高」で推移する。北海道や青森で水揚げされる5キロ箱20尾入り(1尾250グラム)が取り扱いの主力だ。高級寿司店などに販売しており、量販店で取り扱えない価格帯。

冷凍いか 需要堅調も相場反発で先行き不透明
2023年1月1日

冷凍イカの輸入は、昨年1~10月の段階で前年同期比20%増の91,900トンと堅調なペースで進んだ。国産イカの不良で慢性的な原料不足状態に陥っていることが影響にある。ただ昨年見られた主力原料のアメアカの生産不安定や、新型コロナからの経済回復に伴う世界的な需要増などにより輸入相場は強気配にあり、今後の買い付け環境は厳しさを増す可能性がある。
アメアカはペルー産が24%増、チリ産が31%増といずれも伸び、平均価格はペルー産69%高、チリ産88%高と大きく上昇した。スルメイカ系も数量は前年より増加したが、単価はロシア産25%高、アルゼンチンマツイカ32%高、米国産マツイカ14%高と軒並み値上がりをしており、安いイカ原料は事実上消滅しており、今後も思うように調達できるかは不透明な情勢となっている。

日ロ地先沖合漁業交渉が妥結
2023年1月5日

水産庁は昨年12月27日、日ロ漁業員会第39回会議(日ロ地先沖合漁業交渉)が妥結したと発表した。2023年における両国の相手国200カイリ水域での漁獲枠は22年比2万5000トン(33%)減の5万トンずつとなった。日本がロシア水域で認められた入漁枠のうち、スルメイカは5619トンで22年と同量だった。
全てのロシア漁船は日本漁船との間に可能な限り2マイル以上の船間距離をとるとするルールも新設した。茨城県沖における同時入域隻数については5隻(22年は6隻)に制限する。